センチュリーロイヤルホテルが浦河町とコラボした「夏イチゴ試食会」開催

 センチュリーロイヤルホテル(札幌市中央区北5条西5丁目2番地)で9月25日、浦河町の夏イチゴを使ったフルコース料理の特別試食会が行われた。

イベントについて

この試食会は、同ホテルと同町のコラボによるもので、夏イチゴの認知度と価値向上を目的に企画。両者は2016(平成28)年から連携事業を実施しており、毎年物産展やレストランフェアなどを開催している。当日は浦河町の職員が参加者へ、町の魅力と夏イチゴの特徴などについて紹介するとともに、夏イチゴを使用したフルコース料理を試食した。

浦河町について

浦河町は競走馬の生産で有名な地域で、町を走るといたるところで馬のいる風景を見ることができる。また桜の絶景スポットである「優駿さくらロード」も有名。狭い道路の両サイドにびっしりと並ぶ桜の向こうには、緑豊かな草原で馬たちがのんびりと過ごす姿が見られる。同町職員の眞田一哉さんは「赴任当時、桜と馬が一緒にみられる風景が美しく感動した」と話す。

 浦河町は2014(平成26)年に夏イチゴ生産量日本一になった。イチゴは時間をかけて温め、じっくりと熟成させた方が甘くなる。しかし夏は周囲の気温が高く、イチゴを温める時間が短いため、冬に栽培されるイチゴより酸味のある味わいになるという。

夏イチゴは温度が高いと生育しにくいため、長野県や東北、北海道などでの栽培が中心。また冬に栽培されるイチゴに対して、虫害や温度管理など生育の手間がかかる。そのため生産する農家が少なく、冬のイチゴよりも希少価値の高いものとして、本州の菓子店などに販売される。

すずあかねの特徴

 同町が栽培する「すずあかね」の特徴は果肉がしっかりとしており、日持ちがよく、輸送に強いこと。またほどよい酸味があり、ケーキや加工に向いている。実際にケーキなどに使われる他、粉末状にしたフリーズドライの夏イチゴは、アイスクリームやチョコレート菓子などに使用されている。

イチゴの旬は本来3~5月頃だが、近年はクリスマスケーキの需要が高まる12月に使用量のピークを迎えることから、近年は冬場の生産の方が盛ん。また1年中ケーキを食べる文化が定着したこともあり、夏イチゴの需要が高まっているそうだ。

試食会の様子

 同町の魅力や「すずあかね」の特徴を説明したあと、参加者は「採れたて」「採って2日目」「完熟」「練乳をつけて」と4つの「すずあかね」を味わった。会場からは「採れたてのイチゴと採って2日目のイチゴでも味や香りが全く違う」といった声が上がった。

 その後は同ホテルの総調理長・金子厚さんが監修したフルコース料理7品が登場。「夏イチゴ グリーンアスパラガスと鰻の冷たい特製カッペリーニ」「北海道産合鴨のグリル フォアグラバターとドライ夏イチゴのハーモニー 夏イチゴ風味の赤ワインソース」など、浦河町産の「すずあかね」やグリーンアスパラガスをふんだんに使用した料理が振る舞われた。同町職員の池田裕喜さんは「『すずあかね』は生食よりも加工品として向いている。今回提供された料理は自分の発想にはないイチゴの使い方で驚いた」と話した。